ORANGE100%

LIFE WITH HUBSPOT

HubSpotを通して沖縄から魅力を発信|BrandBuddyz合同会社 照屋 寛樹さん

照屋さん(左)と田村(右)

「HubSpotのある生活」をテーマに、HubSpotを使っているユーザー、パートナーを問わず、「人」を軸にリアルな情報をお届けするORANGE100%。

今回はデジタルを駆使したブランディング・マーケティングを提供するBrandBuddyz合同会社の照屋 寛樹さんにお話をお伺いしました。

HubSpotとの出会いや、現在の取り組み、これから挑戦したいことなどを株式会社100代表の田村がお伺いします。

HubSpotを使えば、沖縄の企業はもっと成長できる

田村慶

まず簡単に、照屋さんの自己紹介とBrandBuddyzさんの事業内容を教えてください。

照屋 寛樹

沖縄で生まれ育ち、現在も沖縄で活動しています。

経歴としては、短大卒業後にNPO法人を立ち上げ、その後沖縄県内にある広告代理店に就職しました。それからペット火葬会社の沖縄営業所に転職し、2007年には東京の本社でペット保険会社の立ち上げに携わりました。そこでWebを活用した集客についての成功体験を得ることができました。

その後、同社の飲食事業部に異動しましたが「もっとマーケティングに関わりたい」という想いから、2012年に新規開拓の営業マンとして転職し、テレアポを中心に新規のお客様にHPを販売していました。
2016年、沖縄にある同社の子会社に転籍。その後、独立しました。

BrandBuddyzの事業内容は、中小企業向けのマーケティングやブランディングのサポートです。
2016年に会社を設立して、2022年の現時点で5期目に入っています。

田村慶

沖縄出身ということで、地元で働くことについて特別な想いなどはありましたか。

照屋 寛樹

そうですね。上京する前から「いずれは沖縄に帰る」という前提で「いろいろ学んでやろう」という気持ちはありました。

沖縄に帰ったきっかけは、母が病気になって余命宣告を受けたことです。
自己満足なのですが、「独立したよ」という姿を見せることで「親孝行をしたい」という気持ちもありました。
当時在籍していた会社の社長に、辞める前提で話をしたところ「辞めなくてもいいよ。会社を作っていいよ」と言っていただいて、会社を作らせてもらったんです。

Uターンのきっかけは親でしたが、東京から沖縄に帰ったときに、企業のITリテラシーが違うことに気づいて「もったいない」と思いました。
いいモノを持っているのに、マーケティングが弱いために軌道にのりきれていない事業者の方が多くて。
予算のない小さな会社でも「HubSpotのようなツールを活用すれば成長できるのではないか」と思い、会社を作りました。

田村慶

中小企業のマーケティングに注力されているのですね。
僕も札幌の地方出身なので、地方と東京のITリテラシーの違いがわかります。

沖縄ならではの、マーケットとしての課題はありますか。

照屋 寛樹

沖縄県内では、大手企業でもマーケティングの部署を持っていないところがありますね。
なので、デジタルシフトしているようなマーケティング施策ができていません。

マーケティングオートメーションの考え方を持っていなかったり、顧客データベースを持ってなかったり、そうした部分について啓蒙していく必要がある状況ですね。

沖縄の魅力は観光業と伝統文化などのコンテンツ。

田村慶

沖縄にはどんな点でポテンシャルがあると思いますか。

照屋 寛樹

まず1つ目は観光業ですね。
現在の課題は、楽天、じゃらんなどのOTA(Online Travel Agent)に個人情報を握られていることです。

ただ「沖縄の企業の中で顧客データを管理し、HubSpotを使ってパーソナライズしたコミュニケーションや観光体験を提供できたら、すごく伸びるのではないか」と考えています。

2つ目は、沖縄の伝統芸能・食などのコンテンツです。これらを動画などコンテンツ化することで、日本国内・海外に売れるのではないかと。

田村慶

沖縄の魅力についてですが、観光客の方はどんなものを求めているとお考えですか。

照屋 寛樹

やっぱりオリジナリティでしょうか。
以前はツアー会社が企画した団体の沖縄旅行が中心でしたが、今は個人の旅行が多いですね。自分たちでレンタカーを借りて、インスタで見たところへ行く、みたいな。
ただリゾートを楽しむだけではなくて「新しいことを経験してみたい」「地元の人と交流してみたい」など、その人に合わせた「何か特別な体験をしたい」というニーズが出てきているのではないかな、と。

それぞれの好みが多様化しているので、そこのニッチな部分を汲み取ることができると強いのかな、と思っていますね。

田村慶

余談ですけど、僕の息子が学校で三線を習っていて、沖縄旅行では家族で三線教室に参加しました。
当たり前のようにただ海に行くだけでなく、「ちょっと違ったことをしてみたいな」というニーズを、下支えするシステムがあるといいですよね。

沖縄にある企業のバディーになりたい

田村慶

沖縄県内のお客様に、マーケティングなどを支援される中で、具体的にどういうところまでお客様をサポートされていますか。

照屋 寛樹

社名の「BrandBuddyz」は、お客様のマーケティング力を上げて「バディーになる」、つまり「ブランドのバディになる」という考え方に由来しています。

具体的には、経営者の方に自社の方向性・軸となるものをヒアリングし、言語化します。SNSなどを通じて、そのブランド・世界観を発信するサポートをしています。

また、企業以外では地元「うるま市」の自治体、観光協会のWebサイトの制作・運用も手掛けています。こちらは、地域ブランディングの観点で支援しています。

現在、僕の映像クリエイターのバディーとプロジェクトを進めているのですが、浜比嘉島という人口400人の小さな島の廃校の教室を活用した、オンラインレッスンの立ち上げを実験的に行っています。こちらは、「新しい仕事を、こんな小さな島でも作り出すことができる」っていうことを証明したい、という想いで取り組んでいます。

田村慶

オンラインレッスンについて、もう少し詳しくお伺いできますか?

照屋 寛樹

「オンラインレッスンを作りたい」と思っても、うまく作れないケースがあるのですね。
まずコンテンツの企画からスタートして、撮影・編集もしないといけません。
オンラインレッスンを作りたいという潜在ニーズはあるけれど「一歩踏み出せない」という方が多くいらっしゃいます。

廃校の教室にあるスタジオに来ていただければ、僕らが映像作りなどをサポートします。
それをオンラインレッスンのプラットフォームに載せて、販売できる状態にまで持っていく、という取り組みを始めています。


実際にお手伝いしたケースとしては、医師会ですね。コロナの影響もあり、毎年対面で行っていた講義やテストをオンライン上で行いました。
そうした企業・団体向けの取り組みを中心に、事業を広げています。

廃校を活用したスタジオ

グローバルスタンダードを意識したツール選び

田村慶

オンラインレッスンのパートナーツールも含めて、Thinkific・HubSpot・Wixを取り扱っているようですが、それらを選んだ理由は何でしょうか。

照屋 寛樹

まず、僕はこの業界においてHubSpotが「圧倒的にナンバーワンだ」とずっと思っていたので、HubSpotのパートナーになること自体が「会社のステータスを上げる」ことだと思ったんですよ。
そこでまずはHubSpotを選びました。

Wixは「コーディング不要で、誰でも簡単にできる」「扱える人材を採用しやすい」の2点が魅力でした。「単価が安く、すぐ納品できる」という点も重視しました。これはお客様の予算に合わせてご提案します。

Thinkificはオンラインのプラットフォームの中で成長が著しいという点から、取り扱いをしています。

田村慶

ツールを選ぶ際には、グローバルスタンダードになるようなものを意識されているのですか?

照屋 寛樹

はい。日本製はあえて使ってないですね。

否応なしにロジカルで英語的な考え方が浸透するのでとても良いです。自動翻訳の精度が低いこともあるのですが、できるだけ英語をそのまま理解するようにしています。

また、最初からグローバルスタンダードのツールを選んだ理由は、今後起こるであろう人材不足に備えているからです。
海外の人材を採用するために「最初からグローバルのプラットフォームを使っていた方が良い」と考えています。

マネジメントやマーケティングの考え方については圧倒的にアメリカが進んでいます。そのため、そういった考えをツールを通して理解したい、という思いがありました。

HubSpotとの出会いと魅力

田村慶

HubSpotとの出会いや、HubSpotを選んだ理由について教えてください。

照屋 寛樹

2016年頃からマーケティングオートメーションというものに注目が集まるようになりました。
ちょうど営業をやっていたので、「オウンドメディア作って、HubSpot入れましょう」という提案をすることが増えました。
それを僕らはテレアポで提案先を開拓していたのですが、それがとてもしんどかった(笑)。

そこで、まず社内でHubSpotを導入して、リードを獲得して、お客様に嫌がられないような営業のスタイルを確立していこうと働きかけました。結果が出る前に、僕は沖縄に帰ってしまったのですが。

HubSpotを使っている理由は、HubSpotの創業者の考え方とか、そこで働いている人たちの思想やカルチャーが好きだから。
ツールが好きというよりは、「HubSpot社のような会社にしたい」という想いが強くありました。
だから自分で会社を作ったら、「まず自社で利用したい」と思っていましたね。

田村慶

押し売りではなく顧客に寄り添うというインバウンドの思想に共感して、ご自身で会社を始めた際もその思想のもとで事業をしたいということですかね。
HubSpotを導入した沖縄のお客様の反応はいかがですか。

照屋 寛樹

まず、レベルとしてはまだスターターで、プロフェッショナルまでは使いこなせていない状況です。

あるHubSpot導入先の企業では、事業部が細かく分かれていてセミナーの案内をバラバラに送っていたために、送付先が重複してしまうということが起きていました。
そこで「まず顧客データをしっかりとHubSpotで統合しよう」と、名刺のデータを取り込んで情報の一元化をしました。

他にはHubSpotのミーティングリンクの機能で、すぐ商談ができるなど便利になった例がありますね。

田村慶

HubSpotを使うことで一歩前進したような感じでしょうか。

照屋 寛樹

そうですね。属人化していた状態から、ツールを使って「仕組み化」していくと。

ツールを活用する前に、プロパティの名称を決定するなど「ルール決めを行う」ところから始めます。HubSpotの導入をきっかけに、そうした「ルール決め」を事業部を超えて横断的にできるようになったな、という感じですね。

田村慶

HubSpotの使い方について、社内の従業員の方に覚えてもらう際に工夫していることはありますか。

照屋 寛樹

操作方法は動画にして「これを見ておいて」という感じですね。

基本的なマーケティングやSEOの考え方をレクチャーした後は「キーワードのボリュームをリサーチして、このテーマで書いてほしい」と指示を出して、あとは従業員が自主的に動いています。

HubSpot上にあるブログのアナリティクスを見ることで「自分が書いたものが、どれだけの数字を作っているか」が、すぐにわかります。
「この子のブログがいいね」ということは、ほかのメンバーも見てわかるので、育成というよりは「自分たちで自己学習がしやすい仕組み作り」を意識していますね。

沖縄での活動

HubSpotを活用するには、まずコンテンツを充実させることから

田村慶

HubSpotを活用するにあたって、沖縄の企業に足りていないところはどこだと思いますか。

照屋 寛樹

コンテンツの質と量が、圧倒的に足りていないですね。

HPがあっても「ユーザーに価値を提供できるようなコンテンツになっていない」という場合がほとんどです。
ブログなりオウンドメディアなりを立ち上げて、しっかりとコンテンツを作っていくことで「HubSpotを活かすことができる」と、強く思っています。

田村慶

コンテンツを作るところでは、どういったサポートをされていますか。

照屋 寛樹

はじめに、社内にドキュメントがあるかどうかを確認します。社内用のマニュアルや、エンドユーザーに提案する企画書。そういったものを、まずブログにしちゃいましょうと。あとは「よくある質問」をテキスト化すること。

書くことが苦手であれば、営業さんの説明を動画で撮って文字起こしを外注することなどを提案しています。

また、意識しているのは「必ず相手の理解度を確認する」ことですね。例えば、CRMなどのマーケティング用語を使わずに、別の表現をするとか。
全体像をイメージできない場合もあるので、いったんコンテンツを形にして、そこから確認・修正をしていくことを意識してサポートしています。
「テキストと画像を用意してください」って言うよりは「たたき台を作るので、それをチェックしてください」みたいな感じです。

田村慶

最後に、これからの展望などについてお聞かせいただけますか。

照屋 寛樹

HubSpotをはじめとしたデジタルツールを活用して、コンテンツ作りだけでなく、お客様の満足度を上げていくための組織作りのサポートなどもしていきたいですね。
マーケティングという意味ではまだまだ啓蒙が必要な地方ですが、だからこそ「成功事例を出していきたい」という野望があります。笑

田村慶

そうした手厚いサポートによる独自のコンテンツ発信によって、沖縄のポテンシャルが発揮できそうですね。
僕の出身地である北海道もインバウンドで活性化するなどの共通点があることから、いろいろ重なる部分があって勉強になりました。面白いお話をありがとうございました。

照屋 寛樹

こちらこそ、ありがとうございました。

※記事中の部署名、役職名等は掲載当時のものです。

We are HubSpot LOVERS

ビジネスの成長プラットフォームとしての魅力はもちろん、
HubSpotのインバウンドマーケティングという考え方、
顧客に対する心の寄せ方、ゆるぎなく、そしてやわらかい哲学。
そのすべてに惹かれて、HubSpotのパートナー、
エキスパートとして取り組んでいます。
HubSpotのこと、マーケティング設計・運用、
組織の構築など、どんなことでもお問い合わせください。

HubSpotのことならお任せください

お問い合わせフォーム